〔064〕奥穂高岳 (3,190m)

    標高差:1,034m
累積標高差:2,701m

2008年09月12日(当時59歳)


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高山市奥飛騨温泉郷坂
3日目、穂高岳山荘〜西穂高岳〜新穂高:8時間58分 (休憩時間含む)
穂高岳山荘 奥穂高岳 ジャンダルム 天狗岩 西穂高岳 P・ピーク 西穂独標 西穂登山口駅 新穂高
5:48 6:25 7:25 9:04 10:54 11:36 12:04 13:02 14:46

  先月、奥穂からジャンダルムを見た時、ジャンダルムのてっぺんに数名が立っているのを見て、
登れるものなら是非、行きたいと思ったものだが、上高地からの最終バスに乗れるか計算が出来ず
断念している。 今回は新穂高側への下山であるので、R・Wにさえ乗れれば、西穂側への縦走が
出来ると判断した。

日本百名山』 憧れのジャンダルムに登頂することが出来た。
Road Map  :岐阜県高山市 新穂高の無料駐車場を基点とする。
Route Map :穂高山荘を出発して、ジャンダルム、西穂、西穂山荘を経てR・Wにて新穂高に下山する。
Route Data:奥穂からは下るだけと思っていたが、岩壁登りが数多く現れた。
縦走3日目:奥穂高〜西穂高
西穂山荘〜西穂高口駅
  記憶では勾配の殆ど無い穏やかな道と思っていたが、大きくどんどん下り樹林帯の中、結構な勾配の道が続いた。 標高差は209mであるが、距離があるので随分長い道に感じた。
新穂高R・Wで楽チン下山
  西穂高口から歩いて下山するとなると標高差千m以上、3時間は掛かるらしいので当然R・W(1500円)利用とする。 鍋平高原駅で乗り継いで新穂高に下りる。 14時46分、8時間58分にて新穂高無料駐車場に戻り、全縦走を終える。
今日の温泉
  車でバスターミナルまで戻り、無料の ”アルペン温泉”に入るつもりであったが、マイシャンプーを忘れてしまっていたので、仕方なく、前回と同じく ”深山荘”(700円)に入る。
内風呂は一人のみ、露天風呂では津田さんと再開出来て、2人だけの貸切り風呂となる。
1日目:新穂高〜槍ヶ岳山荘
2日目:槍ヶ岳山荘〜穂高岳山荘
3日目:穂高岳山荘〜新穂高
ウィキペディアより
  ジャンダルム(フランス語で憲兵。転じて前衛峰の意)は、奥穂高岳西部にある岩稜であり、
標高は3,163m。 西穂高岳との縦走路途上にある。 大きく天を突く特異な形から山岳写真の被写体としてよく選ばれる。 また、ジャンダルムを登ることはザイル等の登攀器具を使わない一般登山としては本格的な経験・技術が求められる。
上記の奥穂高岳のジャンダルムが最も有名だが、他にも剱岳チンネの
ジャンダルムなど、同じような前衛峰にこの名が付けられている。
定番の御来光を拝み(?)、昨日の反省からお弁当を頼んでいない
ので朝飯を腹一杯食べる。 朝飯は小さいながら焼きシャケが付い
ており満足満足の朝食だった。
殆どの人がまだ朝食を食事中、おばちゃんが一人、心配そうに
くさり場を眺めていた。 ”槍ヶ岳山荘”から比べると登山者が
随分少なかったが、それでも食堂は一杯だった。
3日目も雲一つ無く、山では『晴れれば勝ち』と思っているので、
これ以上の御褒美はない。 緩やかに登り ”奥穂”に向かう。
5時48分に山荘を出発、昨夜から風が強く
寒い中、くさり場を登る。 ここを通るのは
昨年から6回目となる。
37分にて ”奥穂高岳”(3,190m)に着く。 奥穂では記念撮影だけ
とし、先を急ぐ。 昨年から奥穂の山頂に立つのは4回目、毎回、
悪天候のガスの山頂であったが、今日は周囲の山を見渡せた。
振り返れば毎日見ている景観であるが  ”槍君”は随分遠くなってしまった。
あそこから歩いてきたんだからご苦労なことである。
”奥穂”から ”馬の背”に向けて下って行く。 ”ジャンダルム”には人が立っているのが見えるが、
どこから登らせてくれるんだろう。 ”ジャンダルム”が今日一番の楽しみである。
薄靄が掛かっているものの、”御嶽山”までもがしっかりと見えていた。 ”焼岳”が随分低く見えて
いるが、この後、”焼岳”はどんどん大きく見える様になってくる。
遠目で ”ジャンダルム”を見ると、岩稜の下に登山道の様なものが見えたが、
登山者の動きを見てみると、岩稜の先端部分を歩く様であった。
これが ”馬の背”なのだろうか? 先行者が居なければ崖の下に入っていたかも知れない。
先行しているのは昨日、 ”ジャンダルム”へのアドバイスを聞いた縦走3回目のあんちゃんだった。
朝は一緒に出発したのに足取りが速い。
まだ岩がしっかりしているので、大山、剣ヶ峰程の恐怖は感じないが、
両側の落ち込みは大きく、一つ間違えば只では済まない。
早立ちしたハイカーが3名、先行しているのが見えた。
”ジャンダルム”への登りを心配する前に、
如何に ”ジャンダルム”に近づくかが問題だった。
コルに降りてからは ”ジャンダルムへの登り返しとなるが、これは
正にクライミングに近い。 くさりに頼らず、フリークライミングの
真似事をして見たが、ホールドが充分在り、垂直の壁を面白く登れた。 ここを登り切れば ”ジャンダルム”の取り付きに出る。 先行してい
るジジィー3人組は慎重に慎重に足を進めていた。 マナー良く、直ぐ
に道を譲ってくれた。 ハイシーズンなら停滞が激しくなり思い通りに
歩けなくなるらしい。
”ジャンダルム”の取り付きを南側に回り込み、てっぺんを目指すが、意外だったのがくさり、梯子が全くなかったことである。しかし、
難なく登ることが出来た。 登る途中の写真が無いのが悔しい。
1時間37分にて憧れの ”ジャンダルム”のてっぺんに立つことが
出来た。 ここでも標高は3,163mあり、高さは ”奥穂”と殆ど変わ
らない。 ”槍”と同じく遮るものの無い360°の大展望であるが、
当然、 ”槍”とは違う景観が広がっていた。
足の速い連中ばかりであるが、みなさん休憩してくれるので
その間に追いついてしまう。 いつもの牛歩休憩無し歩きは平均速度が
速い。 ”ジャンダルム”にも最後に登ったのに、最初に下山した。
”ジャンダルム”のてっぺんから眺めた ”穂高山荘”側、 今日もアルプスの全山が見えていた。
しかし、歩き始めて直ぐに追い抜かれた。 何じゃ!
”ジャンダルム”を下り終えて、まだ休憩している連中を眺める。”ジャンダルム”へは、この岩稜をくさり、梯子無しで真っすぐ登った。
気持ちの良い長いくさり場を下る。
写真のモデルにしようと頑張って付いて行くが、どんどん離される。
下ってきた岩稜を見る。 ハイカーが居ないのでどこをどう歩いたのか記憶が戻って来ない。
これから登る ”コブ尾根の頭”を見る。 何度、こんな岩峰を越えたであろうか。
岩峰を登っては下り、登っては下りを繰り返しながら、
トータルは下って行ってるいるはずである。
2時間52分にて ”天狗のコル”に着く。
ここから ”岳沢ヒュッテ跡”への道が付いていたが、
相当急峻な登山道に見えた。
先行者は ”天狗のコル”で休憩していたので抜かしてしまうが、直ぐに抜き返される。
”天狗岳”への登りの良いモデルになって
くれた。
”穂高”側は ”大キレット”側程には整備されておらず、
それがハイカー魂を刺激する。 兎に角、マーカーだけを
見失わない様に進めば、絶対に困難と言う所は無かった。
”天狗岳”への登り途中から下ってきた
”畳岩の頭”を見る。 俺って頑張って
いるんだなーと自画自賛する。
ピークが在り過ぎて自分がどこに居るのか判らなくなってくる。
”西穂”だと思って登り、何度も裏切られた。 目先のピークは”天狗岳”であった。
3時間16分にて ”天狗岳”(2,909m)に着く。
地図上では ”天狗ノ頭”となっていたが、こんなピークがあること
すら知らなかった。 山頂標識が立っているくらいだから有名なのだろう。(ここまで来る人は少ないか)
縦走中のピークはこれだけではなく、
もっと沢山のピークがあった。
次のピーク ”間ノ岳”を見る。 ”焼岳”が少しづつ高く
見える様になってきたが、周辺の山よりまだまだ低い。
”赤岩岳”を下り、 ”赤岩岳”の後ろに聳える
”奥穂高岳”と ”前穂高岳”を見る。
”逆層スラブ”の取付きから ”赤岩岳”を見る。
この時点では先のピークを ”西穂高岳”と思っていた。
”逆層スラブ”の存在をまったく知らなかったが、長いくさりが
あり、懸垂下降をする様に降りることが出来た。 見上げると落っ
こちそうな岩が見え、これが逆層の謂れなのか?
4時間30分にて ”赤岩岳”(2,769m)に着く。 このピーク名は丁度、
西穂山荘のスタッフが散歩に来ており ”赤岩岳”と教えて貰った。
”逆層スラブ”を下り終えて ”赤岩岳”(2,866m)に登り返す。
この稜線も ”馬ノ背”の様に鋭く尖がっていた。
これから登る ”西穂高岳”を見る。 西穂山荘側からの西穂まで来られる方が多いのか、
山頂には沢山のハイカーが見えていた。 過去2回、西穂山荘側から西穂高岳に登っているが、
その時は自分が ”ジャンダルム”側を歩くとは夢にも思わなかった。(行きたいと思ったこともない。)
5時間06分を要して ”西穂高岳”(2,909m)に着く。 穂高岳山荘を
5時に出発したはずの ”百名山じじぃー”と再会する。 ウエストバックに入れたカメラをどこかに忘れたと勘違いして探しに引き返したらしい。 この後は殆ど聞き取れない栃木訛りを聞きながら一緒に下山する。
66歳の彼は今年8月に ”光岳”で百名山を達成したらしい。
日本百名山完登に20年掛かったとか。
下山途中で ”西穂高岳”を振り返り見る。 綺麗な山容だ。
5時間48分にて ”ピラミッドピーク”(2,740m)に着く。
この辺りへは続々とにわかハイカーが登ってくる。 一様に
”西穂”まで行って最終のR・Wに間に合うのか聞いてくるが、
その人の体力によるのでへたに返答が出来ない。
6時間16分にて ”西穂独標”(2,701m)に着く。
振り返れば相似形の ”西穂三山”(そんなのないが)が綺麗に並んでいた。
山荘近くから最後となる穂高連山を眺める。
ここまで散歩がてらに登ってくる家族組が多いが、ここからの眺めで充分と思います。
リサイズ前の写真から赤線の範囲まで”重太郎新道”が確認出来たが、岩場になってからの
上側までは確認出来なかった。 ここからは
”笠ヶ岳”の”笠新道”もはっきり見えていた。
7時間14分にて ”西穂山荘”(2,365m)に下り立つ。
山荘で少し休憩してR・W駅の西穂口まで一気に下る。
後日、福井の津田さんが送ってくれた写真
チムニー登り風のクラックを登り切った後。
ここは簡単に登れて面白かった。
出来れば登り途中の写真が欲しいところ。
”間ノ岳”への岩稜にアタックの図。 一人で山歩きを
していると、こんな写真を送って貰えるのが非常に有難い。
”間ノ岳”からの下り途中。
”赤岩岳”への登り途中。 今回出会ったハイカーでストックを持っているのは俺だけ。 誰かに ”何でストックを持っている?”のと聞かれたが、これを持たないと寂しいからと答えておいた。 俺は沢登りにも持っていっているがアルペンルートにつえは似合わない感じがする。
”赤岩岳”からの下り。 後ろに聳えるのは ”前穂高岳”と奥穂に伸びる
”吊尾根”。 貴重な写真の送付、有難う御座いました。
同じく ”ジャンダルム”から見た ”西穂”側の展望。
今から ”西穂”まで続く尾根筋を下って行く。
多くのハイカーが ”西穂山頂”に向かい、山頂にも数名の
ハイカーが見えていた。 さあ、最後の登りを頑張ろう。
”西穂高岳”の山頂から ”西穂山荘”側への下山ルートを見る。
”丸山”から ”前穂高岳”を見ると肉眼では懐かしの ”重太郎新道”がはっきりと見えた。
おくほだかだけ
山頂の鳥瞰図からは、鳥瞰図通りの全山を見渡すことが出来た。
奥穂高岳 3,190m
ジャンダルム 3,163m
天狗岩 2,909m
間ノ岳 2,907m
西穂高岳 2,909m
山荘を朝早くに出発された登山者が
先行しているのが見えた。
”天狗岳”の背後は縦走して来た ”畳岩ノ頭”だけど
どこをどう下って来たのか記憶が無い。
”槍ヶ岳”で見たのと同じ光景で、おじいさん登山者が
ガイドさんにロープでサポートされて登って行った。
”逆層スラブ”は楽しく下ったので怖くは無かったが、下り終えて
他人の下降を見ると、ビビッてしまう。
くさりが設置してあるとは言え、自分がこんな
恐ろしい所を下ったとは信じられない感じである。
国土院の地図には ”赤岩岳”(2,866m)は出て来ない。
”赤岩岳”は標高的には目立たない山だった。
展望に酔いしれているのは、今回、行動が同じとなった
福井県から来られた津田さん。
1969年5月4日、残雪の ”西穂高岳”へ
運動靴で登った時の写真。
2023年12月5日改定